今月の初めから、私はバイトをしている。
当然そこでは初めてのことだらけ。
前にも飲食関係の仕事をしていたから、
ある程度は出来るし、理解できるけど、
その場所が初めてだから、初めてに等しい。
ということで、人間関係もリセットされる、ということで。
行って帰ってくる度に、
母は「店長は何歳?」「店長にはお子さんいるの?」
「他の人たちは何歳ぐらい?どんな人たち?」
と、怒涛の質問タイムが始まる。
娘を預けるのだから、ある程度のことを知りたいのは、
当然だと思う。
でも最近思う。
人に聞いていいボーダーラインってどこまでなんだろう。
今と昔という使い方はあまりよくないけれど、
今だと年齢を聞くのはセクハラに繋がるし、
身体的攻撃ではなくても、パワハラに繋がる。
自分がそういうことをされていたからなのか、
価値観が変わり始めたからなのか、
働く時に一致団結することは大事だから、
名前とかどこら辺に住んでて、交通手段は何とか、
そういうことは聞いてもいいけれど、
わざわざ年齢とか、恋人がいるかとか、
そういうのって聞く必要があるんだろうか?と。
でもここで1つの問題が発生する。
そういうのを含めてコミュニケーションを築ける可能性もあるからだ。
それをひっくるめて、一致団結出来る。
それもそうだなぁ、と思うし、
前の職場ではそうだった。
それが雑談に繋がり、その人の考えを知ることになり、
その人の人生の輪郭を辿るヒントになった。
そうすることで職場の雰囲気もわかるようになる。
でも、今私はそれを考え直そうとしている。
何故なら自分が「恋人はいるの?」とか家族のことを聞いてほしくないからだ。
隠しているわけではないが、
私はたぶん女の子が好きだ。
いちいち説明するのも……と思うのと、
職場の人に「ここでダメなんていう反応しちゃいけないよな!」という雰囲気を
作らせたくもないし、思わせたくもない。
家族というとお母さんのことだけど、
やっぱり「お母さんは働いてるの?」に対して「専業主婦」です。とまでは言える。
でも、「車の免許持ってないの?」に関して、
「持ってないんですよー」とあっけらんかとかわせないのだ。
「お母さん、ちょっと前に脳梗塞で……」と言ってしまう。
そうするとみんな大体表情が強張る。
そりゃそうだ。それはもうわかっている。
だから、無理して「そうか」と言わせたくないし、
言うたびに自分自身が傷ついていくのが目に見えるから。
時代とか価値観のアップデートとか、
そういうのではなくて、
人と人と考えたときに、
自分が聞いてほしくないこと、もしくは相手が嫌だなと思うような質問はしない。
そんなシンプルな答えが見えてきた。
これが正しいかはわからない。
でも、少しずつ自分の中の考えを改め、問いただし、成長したい。