私は全てを話してから、相手と初めて対話できると考えている。
でもその全てとは、私の内部、つまり家族関係のことや今までの深い過去にまで、
突っ込んで話さなければならない。
だから私の体力も、もちろん相手の体力も削ぐことになってしまう。
大抵、話した時がピークで、
その後、関係がちゃんと続いたことはほぼない。
このハードルが高いんだ、と気づき、
言うことをやめた。
けれど、そうしたら残るのは罪悪感だった。
その名残りをザラザラと感じながら、話す。
気が気じゃなくなった。
嘘の自分を見せてしまっているようで、
誠実な自分はすぐそこにあるのに、
私は話したっていいのに、
でも負担になるのは嫌だから……。
言えないことで、何かの引っかかりが出来て、
言いたいことも言えなくなる。
そうして私は、友がいるのに、
友が居ないような感覚に陥っている。
光の中に居るはずなのに、
陰の中に入り込んでいる自分がいる。
信頼しているはずの人に全部言えてないことに気づいたとき、
裏切った気持ちになる。
私はこれからも孤独に塗れて生きていくのだろうか。