カモンカモン
地元のミニシアターでカモンカモン(C'mon C'mon)を見てきた。
詳しい内容は下の公式サイトを見てほしい。
映画『カモン カモン』公式サイト|絶賛公開中 (happinet-phantom.com)
(公式Twitterより引用)
子供と大人という対極な立場を、
大人目線から描いた作品。
モノトーンで、その世界は背景ではなく、人物にスポットしているかのよう。
ここから先はネタバレになる可能性があるので、
まだ見ていない人は、ブラウザを閉じる選択肢を取ってほしい。
主人公の甥っ子ジェシーは、
母をも困惑させるほど手のつかない子。
突拍子もない行動し、困らせ、その顔が見たいからというように、
嬉しそうにしている。
それを見た、叔父ジョニーは、
最初こそ、苛立ち当たってしまったり、
自分の価値観に当てはめようとするが、
ジェシーの子供という立場から見た、
絡みついた大人の複雑さを溶かしてしまうような、
純粋な言葉から、心が少しずつ解けていく――といったような内容で。
アクション映画やホラー映画のような、
目立ったことはない。
だから、退屈という人も居ると思う。
私もその瞬間が正直あった。
でもそれを乗り越えた先に待っている物語の世界は、
幸福感を運んでくれる。
だから映画が好きだ。
誠実に見ていれば、映画を観てよかったと思えるその瞬間が何よりも幸せだ。
私は、冒頭大人目線で、ジェシーの行動にジョニーと同様苛立ってしまった。
徐々に、ジェシーの本音が現れた時、幼い私を見ているかのような気持ちになった。
そこで私は初めて、自分が大人になってしまったことに、
スクリーンを通して気づいてしまった。
10代の時に観た「スタンドバイミー」「ウォールフラワー」「遠い空の向こうに」を観た時のような感覚がもう得られないのかと思うと、寂しく感じた。
でもそれを感じるのも、
生きた証なのかもしれないと思った。