ある時、眠れなくなった時、私は睡眠導入剤を飲んだ。
睡眠導入剤の効力のまま、眠れればいいのだけれど、
そうじゃないとき、私は何かに操られたように、部屋を出て、
物を散策したり、衝動に駆られて、首を括ろうとしたことがある。
1割冷静な自分と9割がもうターンオーバーしている自分でこんがらがって、
段々その図が形勢逆転するのだけれど、それはもう止められなくて。
何度人に迷惑をかけたかわからない。
みんな「大丈夫」だというけれど。
きっと大丈夫じゃない。
幸い、家族はその姿を見ていない。
そうして私はその薬を断ち切ったのだが、
また眠れなくなり、苦肉の策で薬を服用することにした。
最近は薬を飲むと、首はくくらないのものの、
あまり好きじゃないお酒を飲む。
赤ワインをakadamaで割り、
それを更にオレンジジュースで割る。
お酒に身を任せるようなオトナになりたくなったのに、
私はなってしまった。
歯止めが利かなくなる前に、
母にはオレンジジュースを隠してもらって、
飲まないようにしている。
その代わり、煙草を吸うようになったかもしれない。
毎日吸うのはこれからどんどん本数が増えていく兆候だから、
今、出来るだけ減らしている。
私は父が嫌い。
だから父のしてきたことをしたくない。
すぐ人に怒るところ、人を振り回すところ、
煙草を吸うところ、お酒を飲むところ。
でも血は争えないんだろう。
私はどんどん父に似てきてしまっている。
薬で抑えきれない自分が湧いてくることに対して悩んでいた私に、
友達が「それが本当の自分だよ」と教えてくれた。
私は何か思っても、すぐに飲み込んで、
口に出さない。その言葉が貯まっていき、ヘドロになっていき、
身体を蝕み、呪いになって、それが巡り巡り、心を犯しているのだと思う。
だからきっと私は薬を飲んだ時の自分の行動をよく覚え、
本当の自分と向かい合わなければいけない。
どんなにみすぼらしくて、最低な自分だったとしても。
それがもしかしたら、
自分の症状を治癒できる唯一の手段なのかもしれない。