愛とは何なのか?
私は心にぽっかりと穴が空いている。
それは幼少期の頃に、母が倒れてから、その時に必要な愛情を貰えていなかった。
一時的だったならまだよかった。
だが、母が帰って来た時、
優先順位は母がどこまで自分で何をできるか、を判断するために、
長い時間が必要だった。
小さい私でも、「私の言うことを叶えて!」なんて我が儘を言えなかった。
我が儘が通るのは小さい時だけ。それなのに、その時すら言えなかった。
あの時、言っていたら、
私は違っただろうか。
こんなにも孤独に苛まれたり、
愛を渇望したりしなかっただろうか。
枯渇した心に愛を注がれれば、
その穴は埋まると思っていた。
でも違うのかもしれない。
どんなに自分のことが好きだと言ってくれても、
大事だと言ってくれても、その穴は埋まっているようで埋まっていない。
自分の心の扉を初めて開けられると思ったあの子だったら、
私の穴を埋めてくれるのだろうか。
でもきっと、この恋は実らないだろう。
いや、この穴が埋まらなくていい。
でもその人と傍に居たい。
でも、その未来が叶わなかったとして、
私なりにどうにかその穴をふさぐような努力はできないだろうか。
みんな「愛」とか「恋」の本質には
「わからない」と答える。
分からないから、たくさんの恋愛小説や恋愛映画が存在していて、
様々なストーリーがある。
もし可能であればいつか、
この穴を埋められる日が来てほしい。
そして、愛で自分の忌まわしい過去を、
少しでも和らげたい。