あの頃。高校生の頃、やけに走っていた気がする。
まだ何者でもなかった僕らは、
それが何のなのかを探し求めて。
大人になればわかると思っていた。
この世の中の不条理さも何もかも。
けれど、大人になって思うのは、
子供の時よりも「わからなくなる」ことだ。
子供の頃よりも大人になれば、
皆と同じように働き、同じ思考と持つことをやんわりと指導される。
あの頃のような純粋で弾けた笑みを
私はいつ置いてきてしまっただろう。
子供の頃に感じた
大人への不信感をきっと忘れかけている。
そんな大人にだけはなりたくないと思ったのに。
少しずつそんな大人に近づいているのが
怖くて堪らないと思っている大人は私だけだろうか?